2010年8月10日




  富山駅北 9:14


富山駅に着くと、もうほとんどの部員たちが朝飯を終えてホームに集まっていました。
私は駅前のコンビニで少々の食料を補給し(ここでご当地飲料「桑摘み茶」を発見。名前に惹かれて買って飲んだんですが、
何と言うか…新感覚の味でしたw)、今度はtxp氏と行動を共にして富山ライトレールに乗車します。


富山駅北口から岩瀬浜にむかって伸びるライトレール。その元の姿はJRの富山港線です。

富山港線がJRの管轄だったのは2006年まで。元々地鉄の路線だったものを鉄道国有法で国鉄が買い上げたために、
JR時代は北陸線が交流電化の中この区間だけ直流電化で、電気的には仙台における仙石線さながら孤立した路線でした。
仙石線と違って区間が短かったため車両の所要本数が少ないため、運行車両は北陸線と共用の475系を使用していましたが、
運用は線内完結で完全に孤立していて、北陸線との直通運転はありませんでした。
交換設備は今と違って途中の城川原の一ヶ所しかなく、本数も時間一本程で終電も21時代と、使いにくい路線でした。

そんな路線をLRT(Light Rail Trangit)化しようという計画が出たのは2003年。
富山市が出資して第三セクター化することも決まり、富山駅付近の鉄道専用軌道を廃止して、
現奥田中学校前付近から路面に軌道を移して富山駅北口駅前広場に終点を設けること、
JR線時の駅に加えて4駅を新設、交換設備を増やして運行本数を増やすことも決まりました。

現在は富山駅北になっている起点も、北陸新幹線の関連工事でJR富山駅が高架化された暁には、
ホームの下をくぐって南側まで線路を延伸し、富山地鉄の環状線(セントラム)とつなぐ計画もあるそうです。



とまぁライトレールの説明はこのくらいにしまして。
富山駅北を出発したライトレールは、駅付近こそは路面電車としての顔を見せますが、
ちょっと市街をぬけると富山港線の軌道に入ります。ポートラムの愛称で親しまれるこの車両、
道路では“ぬるぬる”動くといった感じなのですが、
奥田中学校前駅の辺りから専用軌道に入ると、見かけによらず吹っ飛ばします。

みかけによらず、と言えばこの路線、夏休みだったのにも関わらず、
意外と自分と同じような年の頃合いの若人(w)が多く乗っていたような気がしました。
こういうローカルな路線って通勤通学や老人輸送がほとんどだと思っていたので、中々新鮮でした。
途中に競艇場前って停留場がありましたけど、そこの客でしょうか?まさかねぇ…w



9:40 岩瀬浜 9:46



岩瀬浜の駅前、はっきり言っておきますが何にもありませんでした。ただの住宅地に公園が隣接しているだけ。
ただ、停留所の脇に「海水浴場歩いて○○○メートル」的な看板があって、
そこだけはここが「浜」の駅であることを示していました。
あまり見るものもなさそうだったので、すぐに折り返しの列車に乗り、みたび富山にとって返しました。



10:12 富山駅北


10:30に富山地鉄の富山駅(JRの駅に隣接してますが、別駅です)に全員集合。
電鉄富山は富山地鉄の起点駅。頭端式ホームで小ぢんまりながらもターミナルの香り漂うレトロな駅です。


これから、隣駅の稲荷町にある富山地鉄の工場(稲荷町テクニカルセンター)を見学させてもらいます。



電鉄富山 10:43
     10:46 稲荷町

稲荷町は、本線と不二越線が分かれる分岐駅で、車庫・工場が併設されています。

工場の見学は一時間強ほど。富山地鉄は大都市圏を運行区間に含まない地方私鉄の中では比較的大きい鉄道会社です。
車両はオリジナルのものの他に、京阪電鉄で走っていた車両や西武鉄道で走っていた特急車両を中古購入して使っています。
工場内では普段見れない車両の天井やブレーキの調整の様子、果ては全検中の車両の解体修復工事の様子なども見せていただきました。
部品や工事過程の詳しい説明していただいた上に、体験までさせて頂いた稲荷町工場の皆々様には、
この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうざいました。

車両の運転台にも入れてもらいました。細かい機器でいっぱいです…文系の私にはちんぷんかんぷん。




   稲荷町 12:24

稲荷町工場を後にして、今度は不二越線の列車に乗り込みます。
やってきたのは色鮮やかな元京阪車。不二越線終点の岩峅寺へ向かいます。
途中にあった『開発』駅。「かいほつ」と読むそうです。難読ですね…
開発あたりから雲行きが怪しくなり、途中かなりの降りになりました。



12:55 岩峅寺 13:06


写真正面が不二越線、右側の線路が寺田から本線と分岐してきた立山線です。
立山線に乗り換え。やってきた車両は再び京阪車でした。

線路はどんどん山奥に入っていきます。雨はますます激しくなり、景色はご覧のありさま。
部員のみんなは寝ていたり、ラノベを読んでいたり、読んでいるのを盗撮したり…思い思いに過ごしていました。



13:26 立山 14:24


立山まで来てようやっと一段落。雨も激しかったので、この駅併設のレストランで昼食を済ませます。
カレー一杯700はちょっと法外な気もしましたが…。まぁ割り切るしか無いでしょう。

一時間の小休憩の後、宇奈月温泉行きの特急列車に乗って出発です。


特急、と言っても車両は普通列車と共用の車両の2両編成。というか普通にワンマンでした(
自由席と指定席が一両ずつで、フリーパスで乗車できる自由席は座れないほどの混雑でした。
折角なので運転席の後ろで前面展望を見ていたんですが、土砂降りの雨と結露で何も見えませんでした。

この「アルペン特急」は立山線を寺田まで上り、折り返して本線を宇奈月温泉まで下る、という面白い経路をたどる列車。
寺田駅では、立山線の岩峅寺方の線路と本線の上市方の線路がつながっていない(鶴見線の浅野に近い)形状のため、
立山線のホームで降車客を扱った後に、一旦駅を出て本線を稲荷町側に進み、
本線上で折り返して本線のホームで乗車客を乗せ、上市方へ出発していきます。
そのため、運転士氏が雨中の本線の脇を疾走していく姿が見れたりしました。



15:56 宇奈月温泉 16:02


宇奈月温泉に到着。本当はもう少し長く居られれば良かったんですが、
折り返しの列車に乗らないと、次の列車が一時間待たないとこないということが発覚。
一時間をつぶすほどのものは無さそうだったので、折り返しの各停に乗って富山へ戻ることにしました。


途中の上市での一コマ。列車が発車直後に急停車。
何が起こったかと思いきや、扉が開けて走ってきたお客さんを収容。
列車を一本逃すと後がない、田舎ならではの風景でした。



17:31 電鉄富山


この日も富山宿泊です。有志でボーリング行ったりしながら、ゆっくり過ごしました。




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